汗疱ってご存知ですか?春や夏に手足に出来る事の多い水ぶくれ、水虫と似ていますが、違うんです。
その汗疱について、水虫との違いや対策などを、今回はご紹介していきます。
汗疱(かんぽう)とは?どんな病気なのか?
汗疱は、手のひらや足の裏に汗をかきやすい人に出やすいと言われる皮膚病です。
手のひらや足の裏、時に指の外側に小さな水疱がいくつも出来て、それが敗れると異汗性湿疹(いかんせいしっしん)と言われます。
別名は汗疱状湿疹(かんぽうじょうしっしん)指湿疹(ゆびしっしん)とも言いますが、汗疱と呼ばれる事が多いです。
汗疱の時点ではかゆみはありませんが、異汗性湿疹になると痛みやかゆみを生じるようになります。
主に春や夏、発汗が増える時期に発症し、涼しくなると収まりますが、発症する場所や症状、再発性が高い事と、特徴がよく似ている事から、水虫と勘違いする場合があります。
汗疱(かんぽう)の症状は?水虫との違いは?
汗疱の症状
汗疱の症状ですが、
- 手足に、かゆみを伴う小さな水疱が出来て、そのまま放置すると、乾燥してがさがさになる。
- その水疱が集まって大きな水疱になる事もある。
- 重症化すると日常生活にも支障を来す場合がある。
- 春・夏に悪化しやすい傾向があり、秋になると治ることが多い。
というもので、とても厄介です。見た目的にもあまり良くありません。
汗疱と水虫との違い
汗疱
水虫
水虫と症状が似ていますが、水虫とは違います。
水虫は、白癬菌というカビが皮膚で繁殖する事によって起こる皮膚病ですが、汗疱の原因はカビや細菌ではなく自分のかいた汗が原因の皮膚病、というところが大きく違います。
症状は似ていても原因が違うので、治療法も治療するための薬も違います。
汗疱になる原因は?
汗疱になる原因は、自分の汗と言われていますが、他の要因によっても起こります。
多汗症の人に特に多く見られますが、金属アレルギーや、慢性の副鼻腔炎や扁桃炎からの病巣感染や、喫煙が原因になる場合もありますし、ストレスや自律神経失調症によっても悪化する場合があります。
また、シャンプーやリンス、食器洗剤などを使用する事によって、手の保護膜となっている脂が落ちてしまい、それが原因で発症する事もあります。
予防のためにゴム手袋を使う事が推奨されますが、シャンプーとリンスの時にはちょっと難しいですよね。
汗疱やその他の手にできる湿疹の原因は、シャンプー・リンス・食器洗剤に使われている事の多い「界面活性剤」という物質である事が多いです。
予防のためには界面活性剤を使っていないものに変えたり、使った後に必ずハンドクリームを塗るようにしましょう。
汗疱は人にうつるのか?
皮膚病というと人に伝染る病気かがまず気になりますが、水虫は感染しますが、汗疱の原因は細菌ではなく自分の汗なので、他人に感染する事は決してありません。その点はご安心下さい。
ただ、自分にできた汗疱を潰す事で症状が広がってしまう場合がありますので、水疱は気になっても潰さないようにしましょう。
汗疱の治療法について
汗疱は、再発性が高く、治療により、症状を抑制する事は出来ますが、完治は現在の医学では難しいようです。
発症してしまった場合は、皮膚科でステロイド剤や抗アレルギー剤などを処方してもらい、患部に塗ったり服薬したりする事で、症状を抑制し、悪化を防ぐ事ができます。
また、金属アレルギーが原因で発症した場合は、アレルギーの出る金属を避けるようにする事で予防できます。
水虫かと思って水虫の薬を使って逆に悪化してしまう場合があるので、汗疱なのか水虫なのかは、素人判断はせず、必ず皮膚科で診療を受けるようにしましょう。
まとめ
汗疱は、完治する方法は現在のところないですが、一度出来たからと言って悲観する事はありません。
高温多湿を避け、汗をかいた時はこまめに拭いたり洗い流したりする事で、発症しにくい状態にする事が出来ます。
決して伝染る病気ではありませんし、適切な治療を行なうことで、症状を抑える事も出来ます。
初めて汗疱が出来てしまった場合は、慌てず騒がず、必ず皮膚科で診療を受けるようにしましょう。