夏になると「プール熱」とか「はやり目」とかいう言葉を聞く事が増えませんか?
実はそれ、アデノウイルスが原因なんです。主に夏、子供の間で流行しますが、大人も感染するウイルスですし、夏に流行しやすいというだけで、夏限定の感染症でもありません。
今回は、そんなアデノウイルスの対策などについて、いろいろ調べてみました。
アデノウイルスとはどんなウイルス?潜伏期間は?
アデノウイルスと言うのは、風邪っぽい症状(風邪症候群)を起こす多くの病原ウイルスの一つです。
主な感染源がプールであるため、プール熱と言う名前のほうが有名ですが、プール熱を引き起こすのは数種類あるアデノウイルスの中の「3型」と呼ばれる菌で、プール熱以外の症状が出る場合もありますし、プール以外の場所で感染する事もあります。
非常に感染力が高いです。空気感染、接触感染、飛沫感染などで、顔を拭くタオルを共有しても感染するほどの、高い感染力を持ちます。
そのため、子供が発症した時には学校から出席停止になる「学校指定伝染病」の2種に分類されています。(インフルエンザも2種に分類されます)
ただ、大人が感染した場合は、インフルエンザと違い、出勤停止という扱いには、2017年現在ではなっていません。
主な症状は、
- 高熱
- 喉の痛み(扁桃炎)
- はやり目(結膜炎)
などですが、胃腸炎を発症するケースもあります。
大人のアデノウイルスの症状について
子供のアデノウイルスは劇症化しやすいのですが、大人のアデノウイルスは、発症しても軽い症状で済む場合が多いため、インフルエンザのように出勤停止になる事はありません。
ただ、症状が軽いと言うだけで、発症した時に出る症状「発熱」「扁桃炎」「結膜炎」は同じです。
大人が感染する場合は、身近な子供から感染する場合が多く、感染した乳幼児との接触感染、飛沫感染は勿論、おむつや下着を交換したり洗ったりした場合でも、マスクや手袋をつけるなどの対策が必要になります。
そして、大人でも重症化する場合がありますし、発症している間感染力が高いのも、子供と変わりません。
出社できる程度の症状でも、感染を拡大させないために、マスクの装着ときちんとした手洗いの励行、他の人との接触を極力避けるなどの対策をしましょう。
アデノウイルスの熱がいつまで続く?
アデノウイルスでの高熱は、普通の風邪より長く続くのが特徴です。
普通の風邪ですと3~4日で下がる場合が多いですが、アデノウイルスの場合、4日以上、場合によっては1週間以上続く場合があります。
ただ、1週間以上熱が下がらない場合は、肺炎や脳炎などを発症している事も考えられますので、必ず医師に相談するようにしましょう。
アデノウイルスの治療法は?入院しなくていい?
アデノウイルスは、子供が罹患して劇症化した際には入院が必要になる事が多いです。
そして、アデノウイルスには、ワクチンや、明確な特効薬は、現在では開発されていないのが現状です。
治療は、熱を下げる、喉の症状を和らげる、結膜炎の治療を行なう、などの対症療法が治療の基本になります。
市販の解熱剤は効果がない事が多いので、必ず医師の処方した薬で、医師の指示の元で治療を行なうようにしましょう。
- 熱を下げるために、額と脇の下を冷やす
- 汗をかきすぎないよう厚着をしない(熱が長く続くので体力を消耗させないため)
- 消化に良いものを食べる
- 十分な休息と睡眠が取る
- 食器は勿論、タオルなども他人と絶対に共有しない
などに気をつけて、治療または看病をする事が大切です。
まとめ
アデノウイルスは、潜伏期間が5日から12日と、少し長めです。
プールで感染した場合、一週間近く後になってから発症してアデノウイルスと判明する事があるので、気付かずに人に移してしまっている事が多いです。そのため余計に流行しやすいのです。
予防には、普段からきちんと規則正しい生活をする事と、石鹸を使った手洗いをきちんとする事、プールの後に必ず体を洗い、目を消毒する事がかなりの効果を発揮しますので、移されないそして移さないために、日頃から気を配るようにしましょう。