夏に近づくと、あるいは夏になると、健康上のお悩みとして挙がるものの一つが「水虫」です。昔はおじさん達の持病みたいな扱いでしたが、ここ数年は若い女性の間でも患者数が増加しています。
水虫にはいくつか種類がありますが、その中で一番厄介なのが「爪水虫」なんです。
今回は、その爪水虫について、その実態と対処法を中心にご紹介させていただきます。
爪水虫ってどんな病気?治りにくいって本当?
爪水虫の正式名称は「爪白癬」(つめはくせん)ですが、爪水虫のほうが分かりやすく、よく知られている名前ですので、この記事では爪水虫で統一します。
水虫は通常手足に出来ますが、その水虫が治療しないまま放置、あるいは他の要因で進行した結果、爪の間にも菌が入り込んでしまった状態が、爪水虫です。
通常の水虫も治療に根気が必要ですが、爪水虫というのは、その水虫がさらに悪化した状態ですので、治療は通常の水虫よりも長くかかり、根治にも時間がかかります。
ですが、水虫も爪水虫も、適切な治療を根気よく続ければ治る病気ですので、ご安心下さい。
爪水虫の初期症状は?
水虫というとひたすらむずがゆい、というイメージがありますが、爪水虫の初期症状はあまりかゆみがないので、気付かずに見落としてしまう事が少なくありません。
爪の先が白っぽくなる、というのが初期症状なのですが、栄養が失調している場合にも同様の症状があるので、見落としやすいのです。
ただ、通常の水虫より軽いながらもかゆみはありますので、すでに水虫の自覚症状がある方は、爪水虫の可能性を疑って、早めに皮膚科の診察を受ける必要があります。
治療は早ければ早いほど効果が高く、完治するのも早くなるので、怪しいと思ったら早めに対処しましょう。
爪水虫の治療方法について
水虫の治療は患部に薬を塗る、あるいはスプレーする、という方法ですが、爪水虫の場合、白癬菌(水虫の菌)が爪の間に入り込んでしまっているので、市販の水虫の薬では効果がない事がほとんどです。
そのため、爪水虫の治療は、薬を内服する事が基本となります。
通常の水虫なら市販薬でも治療が可能ですが、爪水虫の場合は、必ず専門医(皮膚科)の診療を受けるようにしましょう。
爪水虫の治療に使う内服薬は、よく効きますが、肝臓にやや負担がかかるという副作用がありますので、肝機能の状態を定期検査でチェックしながらの治療になります。
ですので、専門医による治療が最良なのです。
近年、爪水虫に効果のある市販薬も何種類か発売されていますし、効果もあるのですが、やはり専門医の治療以上の効果は得られないので、極力皮膚科へ行くようにしましょう。
爪水虫の治療薬は、肝臓の弱い人、肝臓に疾患のある人、妊婦、老人には使えない場合がほとんどなので、その場合はレーザー治療を行ないます。
レーザー治療は保険診療外なので若干費用はかかりますが、副作用もなく効果が高いので、自己流で治療するよりもおすすめ度は高いです。
爪水虫を放置するとどうなるの?
爪水虫は水虫を放置した結果かかる病気ですが、その爪水虫を更に放置するとどうなるのか、段階を踏んで解説します。
- 白っぽいだけだった爪が黄色くなり、やがて黒くなる
- 爪が全体に分厚くなり、一方でぼろぼろと崩れやすくなる
- 白癬菌がついた爪がぼろぼろ落ちる事により、人に感染する可能性が高まる
- 人に感染するだけではなく、自分の体の他の箇所(手、顔、頭など)に感染が広がる
- 糖尿病を患っている人の場合、合併症で爪水虫を患っている箇所が壊死してしまう事がある
など。たかが水虫と思って放置していると大変な事になってしまいます。
早め早めの適切な対応がとても重要なのです。
最後に
放置すると恐ろしい爪水虫についてまとめてみましたが、前述の通り、水虫も爪水虫も、適切な治療を根気よく続ける事で、ちゃんと治る病気です。
また、自分の不快感もつらいですが、誰かに感染させてしまうという恐怖感もつらいですが、感染力は確かに強いのですが、菌が肌に付着してから感染するまでに24時間ほどを要するので、こまめに手足を清潔にするようにしていれば、感染する事もありません。
濡れたタオルや足拭きマット、スリッパなどを共有すると感染のリスクが高まりますが、同じ洗濯機で洗濯した、同じ湯船で入浴した、という程度でも感染はしません。
必要以上に恐れる必要はありませんが、水虫かなと思ったら、早めに皮膚科で相談し、治療を受けるようにしましょう。