- 最近、食欲がない!
- 胃がムカムカして吐き気がする
- 普通に食事をしただけなのに、胃がもたれてしまう・・・
という経験はありませんか、もしかしたら、それはピロリ菌の仕業かもしれません。
ピロリ菌って何?感染した場合の症状は?どううつるの?除菌方法やかかる費用は?
等々について紹介したいと思います、胃腸が弱い方は是非参考にしてください。
ピロリ菌とは?
ピロリ菌の正式名称は「ヘリコバクター・ピロリ菌」、胃の中に潜んでいるとても小さな細菌です。
通常なら、強い酸性の胃の中で細菌は住みつくことができません。ところがピロリ菌は「ウレアーゼ」という特殊な酵素を出して、胃内の尿素をアンモニアに変化させます、このアンモニアが胃酸を中和し、周りを中性に近い環境を作り上げることができるので、酸性の強い胃の中でも生息できます。
自分の酵素で生存できる環境を作り上げて生き延びるとは、ピロリ菌はとても賢い細菌なんですね。
ピロリ菌に感染した場合の症状は?
ピロリ菌に感染しても初期症状はほとんどないことが多いようです、感染に気づかないまま過ごしていることがよくあります。
しかし胃の中でピロリ菌が活発に働きだすと、以下のような症状が現れます。
- 食前の空腹時に胃がキリキリ痛む
- 食後胃がしくしく痛む
- 胃もたれ
- 食欲がない
- 胸やけや吐き気を起してしまう
- 口臭が出る
- おならが増える
といった症状が現れるとピロリ菌に感染している確率が高いです。
どううつるのか?感染経路は?
実はピロリ菌はどのような感染経路でうつるのかはまだはっきりわかっていません。しかし最近の研究から、口から入れば感染することは間違いないようです。
ほとんどが免疫力の弱い5歳位までの幼児に、口から感染すると言われています。幼児期の胃の中は酸性が弱く、ピロリ菌が生きのびやすいからです。
ですので、子供になんでも食べさせたがったり、口移しで物を食べさせるということは避けたほうが良いでしょう。
しかし大人になってからの感染はほとんど心配することはないので、恋人同士のキスによる感染はまずありません。
ピロリ菌の感染率は、世代によって大きな差があります。若い世代では2割程度ですが、50代以上では7割以上の人が感染していると言われています。
ではピロリ菌は中高年に多いのはなぜでしょうか?
昔の日本は、まだ上下水道の整備が十分整っていなくて、井戸水などを飲んでいました。幼少期に衛生環境が悪かったために、今の中高年はピロリ菌の感染者が多いといわれています。
ピロリ菌が引き起こす病気は?
ピロリ菌が引き起こす主な病気は胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍さらには胃がん。
胃がん
胃がんになった患者さんは、ほぼ100%がピロリ菌に感染しているのです。
ピロリ菌は一度感染すると、除菌しなければ、一生涯胃の中に住み続けると言われています。
このピロリ菌の感染が持続すると、胃の粘膜がうすくさせて、萎縮が進行し、一部は腸上皮化生(ちょうじょうひかせい)となり、胃がんになるんです。
しかしピロリ菌を早く除菌すれば、胃がんにならなくて済むです。ピロリ菌の早期除菌は、画期的な胃がん予防方法ともいえます。
十二指腸潰瘍
十二指腸潰瘍の患者さんでは、95%はピロリ菌が原因だといわれています。
胃酸の分泌が高くなると、十二指腸に胃の粘膜のような粘膜が出来てきます。ピロリ菌が十二指腸に流れ出ると、十二指腸に出来た粘膜にくっつき、その粘膜を弱らせます。結果として十二指腸潰瘍になるんです。
胃潰瘍
胃潰瘍の患者さんの83%がピロリ菌感染者でした。
胃かいようは、ピロリ菌が出す毒素で胃粘膜を傷つけ、胃酸に対抗する防御を弱めることで胃潰瘍が起こるとされます。
胃かいようの治療はピロリ菌の除菌が中心です。
萎縮性胃炎
ピロリ菌が引き起こした慢性胃炎が長期間にわたって続くことによって、胃酸を分泌する胃腺が縮小してしまい、胃の粘膜が薄くなって萎縮性胃炎になります。
萎縮性胃炎発症時に、ピロリ菌除菌治療が薦められています。
除菌方法やかかる費用は?
ピロリ菌に感染しているとわかったら、除菌治療をお勧めします。
ピロリ菌の除菌は、病院で処方されたピロリ菌を減らすための抗生物質と胃酸を抑えてくれる薬の服用が主流です。
必要な費用
以前は病気でない場合は保険適用外でしたが、2013年2月から慢性胃炎にも、保険が適用されるようになりました。つまり、3割負担になると
- 初診料:約3,000円
- ピロリ菌検査費:約6,000円
そして検査結果で、ピロリ菌感染、除菌が必要な場合には
- 抗生物質その他の薬剤:約6,000円
投薬期間が終わり再検査、
- 診察料:約1,000円
- 検査費:約6,000円
もろもろ22,000円位目安にしておくといいと思います。
まとめ
大人になってからのピロリ菌の再感染はほぼ無いので、一度除菌に成功すれば、その後にピロリ菌に再度感染の心配はほとんどありません。
ですので、一生に一度、除菌すればいいだけなら、少々お金がかかっても、やはりピロリ菌は除菌しておいたほうがいいと思います。