先日職場に新人が入ってきました。その新人が何度言われても同じミスをする、それに人の話を聞けなくて、周りの人とのトラブルがたびたび起きてしまいます。
「アイツ、やっぱり普通じゃないん、発達障害なんじゃないか?」と言う人がいますが、筆者には「発達障害」という言葉が初耳だったので、それについていろいろと調べました。
発達障害とは?原因って何ですか?
発達障害とは生まれつきの脳機能障害があって、普通の人と比べて違った物事の感じ方や考え方をしたり、他人の気持ちを理解しにくかったり、衝動的に動いてしまい、ミスや抜け漏れが多かったりするなど、周囲の人と釣り合わないから、社会生活に困難が発生する障害のことです。
主にASD(自閉症スペクトラム・アスペルガー症候群)、ADHD(注意欠如多動性障害)、LD(学習障害)など3つに分けられます。 いずれも脳機能に関係する障害です。
発達障害の人の割合は人口の約10%、また知的障害が併存する場合もあると言われています。
先天的な脳機能の障害で、発達障害の症状が生じますが、その脳機能障害が引き起こされる原因はいまだにはっきりと解明されていません。
発達障害の症状は様々であるため、原因も多様であると考えられます。
現在では、なんらかの遺伝的要因と環境要因が相互に影響して脳機能障害が起きるという考えが主流になっています。
大人の発達障害の特徴
子供の頃は発達障害に気が付かず、大人になって初めて発達障害に気づく、それが大人の発達障害です。
発達障害の人の中には勉強の成績が優秀な人もいます。そのため、ちょっと変わってる子だなと思われるだけで、高校、大学と進学して就職し、社会生活を始める人が多いようです。
しかし大人になると複雑な人間関係の中で、生きにくさを感じるようになり、発達障害に初めて気付きます。女性の場合は、結婚して家事や育児をする中で、発達障害に気がつく場合もあります。
大人の発達障害の特徴について、次のようなものが考えられます。
- 他人の気持ちがわからない
- 説明するのが苦手
- 普段と違うことができない
- キレやすい、人の話を聞けない
- 人との会話が苦手
- 空気が読めない
- 落ち着きがない
- 思ったことを何でも言う
- 人づきあいが苦手
- 片付け整理整頓ができない
- 集団行動ができない
- お金の管理ができない
- 忘れ物が多く、物を失くす
- 変化が嫌い、融通がきかない
- 計画性がない
- 感覚が偏っている。偏食
- 極端に不器用、運動が苦手
- 10分程度の作業しか集中できない
こうした「大人の発達障害の特徴」を見ると、「もしかして自分も発達障害ではないか?」と思う人が多いのではないかと思いますね。
大丈夫です、日常生活に障害が起きない限り、心配はありません。
ただ、他人にも「病気じゃないの?」と心配され、特徴項目に半分以上当てはまったら、病院へ行ってみると良いと思います。
発達障害の治療が可能でしょうか?
発達障害を根本的に治療する薬や手術といった医学的な方法はありません。しかし障害による困難を緩和や解消する方法は存在します。
発達障害のある人は、さまざまな問題は自分の性格や努力不足のせいだと思っていて、もともと脳に機能障害があるとは思っていないのです。
ですので、発達障害を改善するため、まずそれに気づき、認めて、受け入れることが大切です。
一般に発達障害の治療には下記の三つの方法があります
- 薬物療法
- 環境調整療法
- 自助グループへの参加
薬物療法
発達障害は元々脳機能によって起きている障害なので、薬で改善できることは知られています。
特にADHDやアスペルガー症候群には薬物療法は効果的です。
環境調整療法
発達障害は周囲の人のサポートが必要不可欠です。周りの人が理解できないと、症状を悪化させる場合もあります。
特に社会人にとって、職場の同僚や上司の理解は必要不可欠だと言えます。
自助グループへの参加
自助グループは同じ悩みを抱えている人たちが集まり、支え合う場のことです。
同じ経験や苦痛を味わった仲間と話し合うことで安心感を与え、不安を取り除いてくれるので、発達障害の治療に非常に有効だと言われています。
まとめ
発達障害についてポイントをまとめると
- 発達障害は、脳機能障害によって、生活に問題が起きる障害
- 自閉症、アスペルガー、ADHD、学習障害などの総称
- 日常生活に障害が起きない限り、心配はない
- 治療や改善には「薬」「環境調整」「仲間と話し合う」といった方法がある
ということです。
人間関係に悩んでいて、もしかして自分も発達障害なのかもしれないと思った方は安心してください、日常生活に障害が起きない限り発達障害ではありません。