瞼に丸くて柔らかいしこりのようなモノができていませんか?痛くもかゆくもないが、違和感がありますので、落ちつかないという方が多いでしょう。
このようなできものができたら、一体どうすれば良いのでしょうか?
まぶたのしこりは霰粒腫?
実はこの痛みも、かゆみもなく、ポコっと目の周りのシコリは霰粒腫 (さんりゅうしゅ)と言われています。
霰粒腫って何?
霰粒腫はものもらいの一種です。「めいぼ」とも呼ばれ、まぶたにあるやや硬いしこりのこと。
まつげの生え際に、マイボーム腺という目の油を分泌する腺が、何らかの原因で詰まって、おかゆのような分泌物が溜まり、しこりが形成されてしまうのです。
どのような症状がありますか?
痛みとか、かゆみとかはありません。
長期間放置すると次第に大きくなっていき、視界が狭くなるという問題が発生します。違和感が酷い時もあります。外から触れるとコリコリしたシコリが確認出来るようになります。
霰粒腫ができる原因、放置したら危険!
霰粒腫の原因は、瞼のマイボーム腺に脂が溜まることが原因です。
このマイボーム腺に溜まった脂がまわりの組織を押し広げることにより無菌性の炎症を起こします。その結果、脂のまわりに肉芽(イボのようなもの)が出来ます。
また、まぶたに溜まった脂肪は、自然と破裂して、吸収されることがあり、その際に菌が入り「化膿性霰粒腫」となる可能性があるのです。
さらに何年も溜まり続けた場合は、ポリープ状のイボとなり、自然吸収されにくくなっていき、癌を発症する可能性もあります。そのため、痛みがないからといって放置してはいけません。
この「霰粒腫」は乳幼児から老人まで、年齢に関係なく発症する病気です。
霰粒腫の治療方法について
自然治癒
霰粒腫は細菌やウイルスが侵入したことがきっかけではなく、脂肪の固まりがしこりとなっているので手術や薬による処置をしなくても自然と治ることがあります。
但しずっと変わらない場合や、痛みや炎症を伴っている場合には眼科医に相談することをお勧めします。
目薬や軟膏で感染予防
化膿する可能性があるため、市販の目薬や病院で処方された目薬、軟膏を用いて感染を予防します。
目薬自体には脂を減らすことができません、あくまで自然破裂まで細菌感染防止するためです。
ステロイド注射
ステロイド剤を患部に直接注射する方法です。80%ほど治癒するとされています。
手術は外来で30分もあれば終了します。費用は約5000円前後、抗生剤や痛み止めの薬が処方されれば、もうすこしかかります。
切開手術
切開手術で中身を出してしまう方法です。これが一番確実ですが、切開後の傷跡が多少は残ります、腫れが1週間ぐらい続きます。
費用は手術だけで6000~8000円程度。手術を受ける為の検査を含めても、1万円程度で済む場合がほとんどです。
自然に治すよりも手術をしてしまった方が楽かもしれません。根治したい人にはお勧めです。
霰粒腫を予防するには?
目の周りを清潔に保つ
まぶたの清潔を保つことが1番です。汚れた手やタオルで目をこすらないように気を付けましょう。
湯船に浸かる
シャワーだけで済ませてしまうと、まぶたが温まらず、マイボーム腺の出口が詰まり気味になってしまいます。40度前後の湯船に10~15分程度つかって、体もまぶたもしっかり温めてあげましょう。
疲れをためないようにする
疲れがたまって体の抵抗力が落ちているときは、細菌に感染してしまい、ものもらいが出来やすくなります。
規則正しい生活とバランスのよい食事を心がけ、その日の疲れはその日のうちに解消するようにしましょう。
食べ物に気を付ける
刺激の強い食べ物や、エビ・カニなどの甲殻類、アルコール類は、ものもらいの炎症を悪化させる傾向があります。目に違和感を感じる時は、控えめにしましょう。
アイメイクに注意する
まつげの生え際にあるマイボーム腺のあたりまでアイメイクをしていると、脂を出すマイボーム腺の出口を塞いでいることになります。
アイラインなどのまつげの生え際のアイメイクはなるべく避け、常に清潔になるよう心がけましょう。
最後に
霰粒腫は放置しておいても自然治癒することができますが、何年も溜まり続けると、ポリープ状のイボとなり、癌を発症する可能性もあるので、とても危険です。
自己判断ではなく、眼科に行って医師にきちんと見てもらって、治療を受けることがおすすめです。