生姜と言えば、夏はそうめんや冷奴、冬なら鍋物や煮物など、季節を問わず活躍してくれる薬味です。
風邪を引きかけた時など、生姜湯を飲むとすぐ治ったという経験はありませんか?
このように、食べてよし、薬膳にしてもよし、という優秀食材ですが、食べ過ぎてもいけませんし、出したい効果によって食べ方を変える必要もあります。
今回は、そんな生姜の食べ方や注意点についてご紹介させていただきます。
生姜(しょうが)の効果効能は?
生姜は古代から、優れた効果効能によって、食品としてだけではなく生薬としても実績と信頼を積み重ねてきています。
現代科学での研究結果では、生姜の効果効能が、生のまま食べた場合と、加熱あるいは乾燥させて食べた場合とで異なる事が明らかになっています。
生姜の主な栄養効果は、
- 免疫機能の向上
- 血行の促進
- 抗酸化及び殺菌作用
ですが、体の冷えに対する効果が、生で食べた場合と加熱又は乾燥させて食べた場合とで逆の作用を及ぼすのです。
生で食べた場合:解熱作用
加熱・乾燥状態で食べた場合:体を温める作用
これは、生姜に含まれているジンゲロールという成分の一部が、加熱または乾燥させた時にショウガオールという成分に変化するからなんです。
ジンゲロールの主な効果:体を冷やし、免疫力を高める
ショウガオールの主な効果:体を温め、血行を促進する
という事で、体調不良を改善したい時に生姜を食べる場合は、症状によって生姜の食べ方を工夫する必要があります。
食べ過ぎるとどうなる?
強い効果のある食べ物は、摂取しすぎると良くない作用をもたらしてしまう場合があります。
生姜も例外ではありません。
ごく常識的な量を食べている分には問題ありませんが、食べ過ぎると、以下のような状態になってしまう事もあるので、注意しましょう。
- 胃腸の弱い人は腹痛や下痢や吐き気を誘発する場合がある。
- 適量なら吐き気を抑えるのでつわりに効果的だが、食べ過ぎると血行を促進しすぎて妊婦と胎児に良くない影響をもたらす場合がある。
- 頻脈(1分間に90回以上脈がある)や心臓に持病のある人は、血行を促進しすぎて心臓に負担を与えてしまう場合がある。
- 風邪の引きかけなどには効果的だが、熱が38度後半以上の場合は、熱を上げ過ぎて体力を消耗させてしまう場合がある。
- 脳の活性化効果があるので、睡眠前に摂取すると寝付きにくくなる場合がある。
などです。
ただ、いずれも食べ過ぎてしまった時に起こる可能性の高い副作用なので、ごく常識的な量を守っていれば心配はないと言って良いです。
1日の摂取量は?
生姜で健康効果を得て、更に副作用を防ぐためには、常識的な量=1日の適量を知っておく必要があります。
個人の体質や体調によりますが、一般的には、
- 加熱した生姜:10g
- 生の生姜:すり下ろした状態で大さじ1杯
- 乾燥生姜(粉末):1g位(小さじ1杯程度)
が目安となります。
生姜(しょうが)の効果的な食べ方
最後に、生姜の効果的な食べ方をご紹介します。
目的別にまとめますと、
- 加熱した生姜:冷え性の改善、頭痛・神経痛などの改善
- 生の生姜:解熱効果、免疫力の向上、めまいや嘔気(吐き気)改善
体を温める食べ方
しょうがを加熱すると、辛み成分のジンゲロールがショウガオールに変化してします。
このショウガオールには、発汗作用を促し、体を温める効果があるので、「しょうが紅茶」などを飲むと、すぐに体の末端までポカポカと温まります。
夏に体温を下げる食べ方
生姜を生で摂取するとジンゲロールにより肩こりや頭痛の改善、発熱の際の解熱効果、吐き気の改善などの効果を期待できます。
夏に冷奴など生姜をすりおろして生で食べると、体温を下げて体を冷やす効果があります。
また生姜にはアンチエイジングや美肌効果もあり、生理痛を和らげる作用もあるので、女性には特に嬉しい食品ではありますが、前述の通り、妊娠中の女性が過剰摂取すると悪い作用をもたらす場合があるので、1日の適量を守るようにしましょう。
まとめ
調べてみるほどに、やっぱり生姜はすごい!という印象が強まりましたが、食べ過ぎには注意が必要です。
また、もう一つ気になって調べてみたのが、チューブに詰めた状態で売られている生姜の栄養価ですが、生の生姜や生の状態から調理した状態の生姜に較べると、かなり効果効能が下がってしまうという事がわかりました。
生姜の健康及び美容効果を高めたいのであれば、生の生姜を買ってきて、自分のニーズに合わせた方法で食べるのが一番という事ですね。