ついつい食べ過ぎた時とかに不意に出てしまったゲップで気まずい思いをした人、多いんじゃないでしょうか。
コントロール出来るものなら完全にコントロールしたい、でも健康状態によってはなかなかそうもいかない現実があります。
ゲップが出る原因と、ゲップが多発している場合に考えられる病気について、今回はご紹介させていただきます。
ゲップとは?医療用語ではどんな名称?
ゲップとは、食道や胃などに溜まったガスや空気が逆流して、口から出てくる生理的な現象です。
医療用語や丁寧な言い方をすると「おくび」「あいき」(噯、噯気)と言います。
口偏に愛なんて優しい文字ですが、人前でうっかり出てしまうとホントに恥ずかしいし気まずいですよね。
欧米ではオナラより失礼とされているので、外国の人と一緒にいる時はなおさら、絶対に気をつけたいところです。
それには、まずゲップが起こる仕組みや原因を理解して、なるべくゲップが出ない状態を作るしかありません。
ゲップが起こる仕組みについて
普段から、胃の大きさを保つや、胃液が攪拌され胃全体に行き渡らせるため、胃にはある程度の空気が溜まっているのです。
しかし食べ物や飲み物を摂取する時、同時に、空気を必要以上に吸い込むと、胃の中にたくさん空気が溜まってしまいます。
食道と胃とのつなぎ目に下食道括約筋という筋肉があり、この下食道括約筋が空気や胃の内容物の逆流を防ぐという働きがあります。
胃の中の空気が一定以上溜まっていると、この筋肉がゆるんで、空気が逆流してゲップが出てしまいます。このようにげっぷの正体は胃の中の空気です。
胃の中に空気がたまるのにも、生理的な原因以外、病気などで空気がたまりやすくなってしまっている場合もあります。
ゲップがよく出る原因は?
ゲップがよく出てしまう場合は、以下の原因が考えられます。
食生活に問題がある
食べ過ぎた場合や、刺激物を大量に摂取した場合、胃酸の分泌が多くなり、ゲップの要因になります。
また、大量に飲食をした時、同時に大量の空気を一緒に飲み込むと、それがゲップになります。
炭酸飲料を飲んだ後
炭酸が胃の中で炭酸ガスに変わり、ゲップとして排出されます。
精神的に不安定な時
精神的に不安定な時、自律神経の失調のために唾液が大量に出るようになり、それと空気を大量に飲み込んだ結果、空腹時でもゲップが発生します。
胃腸の疾患がある
胃炎・胃潰瘍・逆流性食道炎・胃がんなど胃腸にまつわる病気にかかっている場合、胃の中身がうまく消化されないなどの原因により、げっぷが発生しやすくなります。
便秘している
腸が正常に働いていないため、ガスを吸収しにくくなった結果、胃にガスが充満しやすくなり、それがゲップとして排出されます。
運動不足
運動不足により、自律神経が失調したり、胃腸にガスが溜まりやすくなるため、ゲップが出やすくなります。
酸っぱいゲップが出たら、考えられる病気は?
日常的に出る臭いのないゲップは、マナー以外の面で問題はないですし、赤ちゃんの場合は特に、ミルクを飲ませた後必ずゲップをさせなければならないほど、ゲップをする事はむしろ健康面では悪い事ではありません。
ですが、ゲップが明らかに臭かったり、酸っぱかったりする場合は、胃腸の病気にかかっている可能性がとても高いため、注意が必要です。
酸っぱいゲップは医学用語では酸性おくび(呑酸)と言い、以下の病気によって発生します。
- 胃酸過多
- 逆流性食道炎
- 食道裂孔ヘルニア
- 胃下垂
- 慢性胃炎
- 胃がん
- 幽門狭窄症
など。
酸っぱいゲップがよく出る、という方は、胃腸科で診療を受けるようにしましょう。
酸っぱいゲップではなくても、ゲップが出る病気として有名なのが「空気嚥下症(呑気症)」です。
これは、精神的なストレスが原因でよく起こります。放置していると、肩こりや頭痛などの要因になったり、過敏性大腸症候群を併発してしまう場合があるので、気になる場合はやはり病院で相談してみて下さい。
まとめ
たかがゲップ、人前で出さなければ問題ないでしょ?なんて甘くみていてはいけません。
特に、酸っぱいゲップや、満腹でもないのにやたら出るゲップに思い当たる方は注意して下さい。
マナー面でも健康面でも、自分のゲップがどういう状態なのか、把握しておくのが大切です。