鼻の中がむずむずして落ち着かなくて、どうしても放置できない時ってありませんか?そんな時、どうしますか?
小さいお子さんが鼻をほじるのはありがちですし、まだ許容範囲なのですが、電車の中で、よく中年以降の男性が、周囲に構わず指でお掃除しているのを見て、飛び蹴りしたくなった経験、どなたにでもあるのではないでしょうか。
今回は、状況が許すなら徹底的に掃除したい鼻くそのたまるメカニズムと、正しい掃除方法について、いろいろご紹介していきたいと思います。
鼻くそ(鼻糞)とは?成分は?
人間の鼻毛や鼻水、鼻粘液はフィルターのような役割を果たしております、通常鼻に入ったホコリや微生物は鼻毛によって入り口付近でシャットアウトされます。
そのホコリなどの異物をからめとった鼻水が乾燥して、固まったものが鼻くそとなります。つまり鼻くそは、鼻の中にたまる老廃物です。
耳から出る老廃物を耳くそ、目から出る老廃物を目くそと言い、
「目くそ鼻くそを笑う」なんてことわざもありますね。
耳くそが正式名称を「耳垢」、目くそを「眼脂」(がんし)と言うのに対して、鼻くそも「くそ」という言葉があまり教育上よろしくないという理由で「鼻垢」と呼ぶべきという流れがありますが、定着率はまだまだです。
鼻くその成分は、空気中の埃や細菌が鼻の粘膜にキャッチされたものと鼻水の混ざりあったものです。
鼻くそが貯まりやすい原因は?
鼻くそが貯まりやすい原因は様々なことが考えられます。
- 鼻呼吸ではなく口呼吸である
- 空気が乾燥している
- 空気が汚い
- 花粉症の季節である
- 鼻の粘膜に傷がついている
- 鼻の粘膜の動きが弱っている
- 花粉症などのアレルギー性鼻炎
- 蓄膿症(副鼻腔炎)
などの原因が考えられます。
特に多いのが環境要因ですね、空気が悪いとフィルターにゴミがよく溜まるのと同じように、鼻くそもたまりやすくなります。
また鼻をいじりすぎで鼻の粘膜に傷がついている場合、鼻の皮膚の皮脂腺から分泌液が増えるので、鼻くそが多くなります。
対策としては、
- 口呼吸なら鼻呼吸に変える
- 鼻と空気を保湿する
- 空気の綺麗な状況を作る
- 鼻の粘膜をケアする
などが挙げられます。
どうしても鼻くそに気になる方は耳鼻科に行きましょう、鼻くそがつきにくくなる軟膏などを処方してくれるので、改善されるかと思います。
正しい鼻くその取り方
鼻の中が鼻くそがたまってむず痒くなると、つい徹底的に掃除したくなりますが、それは避けましょう。
最も正しくない掃除の方法は、指で鼻の中をほじる事です。見た目にも大変見苦しいだけではなく、鼻の健康や衛生上にも最悪なのです。
鼻くそが出やすくなる理由として「鼻の粘膜が弱っている」あるいは「傷ついている」というものを挙げましたが、指でいじる事で、その大切な粘膜をますます傷つけてしまう上に、鼻の中にたまっている雑菌や細菌に直接触れる事になるからです。
よくティッシュを捻って掃除する人もいますが、ティッシュもやわらかいものでそっと掃除するなら良いのですが、固めのティッシュをぐいぐい押し込むのは、鼻の粘膜側としては是非やめていただきたい掃除方法です。
最も適しているのは、
お風呂上がりに鼻孔内がやわらかくなっている時に優しく鼻をかむ
または
お風呂上がりに鼻孔内がやわらかくなっている時に綿棒で優しく掃除をする
です。
綿棒で掃除をする場合も、ぐいぐい奥まで突っ込むのはNGです。鼻の入り口と半ばまでをそっとぬぐう程度に留めておきましょう。
きっちりと保湿している場合はお風呂上がりではなくても大丈夫ですが、どんな時でも鼻のお掃除は、粘膜に優しく触れる程度で留めておきましょう。
食塩水を使って鼻うがいをするという方法もありますが、食塩水があまり綺麗ではなかった場合、鼻の粘膜にすでに傷がついていた場合、ますます鼻の粘膜を傷めてしまう場合がありますので、どうしてもしたい場合は市販の鼻うがいの薬を使ったほうが安全です。
最後に
鼻くそ掃除は、一にも二にも鼻の粘膜に優しく。そして、自分のためにも他人のためにも、決して指でほじらない、というのが鉄則になります。
誰も見ていないから大丈夫という事で一人の時ついほじってしまうという方も、鼻の健康のためには絶対にしないように心がける必要があります。