家族やパートナーに「睡眠中に呼吸が止まっていた」と指摘されたことがありませんか?また朝起きたとき、寝たはずなのに疲れが残っている感じや頭痛がすることはありませんか?
もしそんな症状があれば、「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」かもしれません。
この病気は単に眠くなるではなく、放っておくと、日常生活に様々なリスクが生じる可能性があります。
ここでは睡眠時無呼吸症候群について知っておくべきことについてまとめてみました。「自分は大丈夫」と思ってもぜひチェックしてみてください。
睡眠時無呼吸症候群ってどんな病気?
「睡眠時無呼吸症候群」(すいみんじむこきゅうしょうこうぐん)とは、眠っている間に呼吸が止まってしまって、無呼吸になる病気です。英語では「Sleep Apnea Syndrome」と言い、略して「SAS(サス)」とも呼ばれます。
医学的には、「無呼吸」は10秒以上気道が閉じている状態を指します。それが1時間あたりに5回以上みられる場合に睡眠時無呼吸症候群と診断されます。
日本の睡眠時無呼吸症候群の潜在患者数は300万人以上と推計されています。
寝ている間に生じる無呼吸は放っておくと、日常生活に様々なリスクが生じる可能性があるのです。
実は睡眠時無呼吸症候群の患者は健康な方と比べると、高血圧を発症する可能性は2倍、狭心症、心筋梗塞は3倍、脳血管障害は4倍、糖尿病は1.5倍というデータがあります。
アメリカでは、無呼吸症候群の患者さんは無治療のまま放置すると、9年後には10人のうち4人は心臓病・脳血管障害などで死亡したという報告があります。
睡眠時無呼吸症候群ってどのような症状が出るの?
睡眠時無呼吸症候群にかかると、良い睡眠
寝ている間起こる症状
- いびきをかく
- 呼吸が止まる
- むせる
- 呼吸が乱れる、息苦しさを感じる
- 夜中に何度も目が覚める、トイレに行く回数が多い
- 歯ぎしりをする、寝汗をかく
朝起きたときの症状
- 目覚めが悪い、すっきりしない
- 口が渇いている
- 頭が痛い、ズキズキする
- 身体が重いと感じる
日中に起こる症状
- 強い眠気がある
- だるさ、倦怠感がある
- 集中力が続かない
- いつも疲労感がある
翌日頭痛がするのは要注意!
睡眠時無呼吸症候群が原因で生じる頭痛は「睡眠時無呼吸性頭痛」と呼ばれています。これは寝ている間に酸素が正常に脳に行き届かないため起こる頭痛です。
睡眠時無呼吸性頭痛がある場合は、
- 起床時に頭痛がある
- 両側性である
- 頭痛が起こってから30分以内に消失する
- 1ヵ月に15日以上生じる
という特徴があります。
睡眠時無呼吸によって低酸素血症や高炭酸ガス血症、睡眠障害によるストレスが原因で引き起こしていると考えられています。
特に、いびきの症状も伴う可能性があります。
睡眠時無呼吸症候群の治療法について
軽症の方はマウスピース療法
歯科医院で作ってもらうマウスピースを装着して寝る療法です。
装着すると、下あごを上あごよりも前方に出すように固定され、気道の広さを確保できて、いびきや無呼吸の発生を防ぐことができます。
中等症~重症の方はCPAP療法
睡眠時に鼻マスクを装着し、小型装置から空気を喉(気道)に送り込む療法です。それにより気道が広がり、スムーズな呼吸ができるようになります。
CPAP療法は健康保険が適用されます、三割の場合、月々5千円程度で済みます。
但しCPAP治療をしていても、普通の枕で横向きの姿勢で眠ると、マスクがズレたり空気が漏れたり、横向きの姿勢では眠りにくかったりしていたことがあります。
CPAP専用枕を使うことで、不快感も解消され、優しく眠りをサポートしてくれます。
最後に
寝ている間に無呼吸が続くと、脳卒中や心臓病になりやすいことが確認されました。
寝ている状態のため、自分ではなかなか気づくことが難しいということで、家族やパートナーに聞いたり、録音してもらったりして、自分の状態を知ることが大切です。
良質な睡眠は、身体と心の健康に欠かせません。自分の状態を把握しながら、健康な毎日を過ごしましょう。