面白い寝言ってよく会話のネタになりますよね。普段絶対言わないような事を寝言で口走った、なんて話もよく聞きます。
でも、面白がってばかりもいられません。寝言には危険なサインが含まれている事もあるんです。
そんな寝言のいろいろについて、今回取り上げてみました。
寝言とは?人はなぜ寝言を言うの?
寝言と言うのは、眠ったままの状態で言葉を話す事です。寝言を発した本人は睡眠中なので、本人はどんな事を言ったのかどころか寝言を発した事自体を自覚していない場合がほとんどです。
何故寝言を言うのか、それは、夢を見ている時に無意識に体が動く反射運動の一種とされています。
眠っている間に見る夢の影響で出る事がほとんどなので、レム睡眠(眠りの浅い状態)とノンレム睡眠(眠りの深い状態)と較べると、夢を見ているレム睡眠の間に発せられる事が多いです。
レム睡眠のときは、身体は寝ているのに、脳が起きている状態です。特に言語中枢が起きていると寝言が出やすくなります。
寝言が多いのは病気のサイン?
家族やパートナーの寝言を聞いた事のある人は多いと思います。
子供のうちは寝言を発する事が多いのが一般的ですが、成長していくにつれて減っていきますので、子供の寝言は基本的には心配ありません。
ですが、成人が寝言を言うケース、それも頻繁である場合には、何らかの病気が隠れているサインである可能性が高いんです。
寝言を毎晩のように発する人に考えられる病気を以下に挙げます。
ストレス障害から起こる病気
- うつ病
- 心的外傷後ストレス障害(PTSD)
身体的な要因で起こる病気
- 睡眠時無呼吸症候群:眠っている間に呼吸が止まる病気。
- レム睡眠行動障害:夢の中と同じように行動してしまう障害。
- 脳腫瘍:脳の疾病のひとつ
- ナルコプレシー:突然倒れるように眠り込んでしまう病気。
年齢、加齢の影響による病気
- 夜驚症:小さな子供が突然叫び声を上げて目を覚ます現象。成長と共に軽減される。
- 認知症:後天的な脳の障害により、記憶・判断力の障害などが起こり、対人関係に支障が出ている状態。
など。
ストレス要因で起こっていると思われる場合は精神科または心療内科を、いびきや睡眠時無呼吸症候群も併発している場合は耳鼻咽喉科または呼吸器内科を、それ以外は神経内科で相談してみましょう。
寝言と会話をしない方が良い理由は?
- 寝言に答えたらいけない、死んでしまうから!
- 寝言に返事をすると魂が戻れなくなる!
など昔から言われています。迷信的な要因もあるのですが、医学的にも寝言に返事をする事は望ましくありません。
それは、寝言に答える事によって更に眠っている人が反応して寝言で返事をした結果、睡眠が更に浅くなり、質が下がるからです。
また人は寝言を言うとき息継ぎしないで、一気に話すらしいです。寝ている人の呼吸器系にとってはかなりの負担となるでしょう。寝言に答えることで寝ている人の体調が悪くなってしまう可能性があるからね。
寝言だと気づかずに返事をしてしまった場合は仕方ないのですが、面白い寝言だからと言って、更に面白い寝言を引き出そうとしてしまうのは、心情的にはとても理解できますが、眠っている人の健康被害にも繋がるので我慢したほうが良さそうです。
寝言を治す方法は?
寝言が病気起因で増えている場合は、前述しました医師の診療を受ける事をお薦めしますが、それほどの心配はなさそうな場合でも、寝言を言うという事は睡眠の質が下がっているという事でもありますので、改善する必要があります。
寝言を言わないように、質の高い睡眠をとるために必要なものを、以下に挙げます。
- 電気をつけたまま寝ない
- 寝る直前までPCやスマホを見ず、頭を休めながら寝るようにする
- 足元を暖かくする(冷やさないようにする)
- お酒で酔いつぶれたまま寝ない
- ストレスをためないようにする
など表面的な寝言に対して治療を行うのではなく、寝言の原因である睡眠の質に対して改善することが大切です。
まとめ
最近家族やパートナーの寝言が増えた、あるいは自分の寝言が多いと指摘された方は、体調に何か変わった事はないか、注意してみましょう。
原因が特定できず、迷った時には、睡眠専門のクリニックなどで相談してみましょう。