甘いもの食べたい!でも太りたくないから、ノンカロリーの人工甘味料を使った食品や飲み物で我慢しています!
という人、ちょっとお待ち下さい。
その方法、実はダイエット的にはアウトな場合もあるんです。
人工甘味料にひそむ危険性、ダイエットにホントに有益なのか?その辺り気になったところを調べてみました。
人工甘味料とは?種類は?
甘味料には天然甘味料と合成甘味料の2種類があり、人工甘味料はこの合成甘味料に当たります。
天然には存在しない甘味成分を人工的に合成したもので、発がん性があるなどで食品添加物の指定を取り消されたもの、国によって全面的に規制を受けているものなどがあります。
アメリカ食品医薬品局(FDA)で許可されている人工甘味料は6種類です。
- アスパルテーム
- アセスルファムカリウム
- アドバンテーム
- サッカリン
- スクラロース
- ネオテーム
人工甘味料の危険性について
発がん性があるので危険とされて2つの人口甘味料ズルチンとチクロが現在使用禁止になっています。
現在FDAで許可されている6種類の甘味料についても、一部に危険性を指摘する研究結果があり、使用禁止にまでは至らないまでも、使用量に制限を設けられたものがあります。
種類ごとに特徴と安全性について解説します。
アスパルテーム 安全性:△
砂糖の200倍の甘さの甘味料です。カロリーは1g4kcalです。
配合されている「フェニルアラニン」という物質を体の中で代謝できない「フェニルケトン尿症」という病気を持っている人が摂取した場合、重体になるほどの危険性があり、その他、アレルギー・心疾患・不眠症・認知症・肝機能などの副作用があるという指摘はありますが、FDAは成分的には安全であると発表しています。
ただし、摂取量に制限がありますので、摂りすぎないように気をつける必要があります。
アセスルファムカリウム 安全性:△
砂糖より200倍の甘さを持っていますが、カロリーゼロです。
後口と風味を良くする効果があります。
厚生省から、規定量より多く摂取させたラットが死亡したという実験結果が発表されており、また、妊娠中のラットの胎児に影響が出たという報告もあるため、妊娠中や授乳中の女性は避けた方が良いとされています。
複合されている塩化メチレンという成分による副作用として考えられているのが、うつ病・頭痛・腎疾患・発がん性ですが、規定量を守れば問題ないとされています。
アドバンテーム 安全性:○
砂糖の2万倍の甘さを持っています。カロリーは1g3.85kcalです。
日本の味の素株式会社によって開発されました。一番最近にFDAに認可された甘味料です。
動物実験の結果では、消化器系に障害が起きたという報告がありますが、人間での臨床結果は、現時点では報告されていないようです。
2017年時点では安全性:○としましたが、今後変わる可能性があります。
サッカリン 安全性:△
砂糖の200~500倍の甘さがあります。カロリーはゼロです。
1960年に行われた実験で発がん性があると言われて一時禁止になりましたが、その時の実験がミスだったという事が後年判明し、再び認可されましたが、日本ではまだ使用制限があります。
副作用としては、不妊・胃酸過多など消化不良などが指摘されています。
スクラロース 安全性:△
砂糖の600倍の甘さがあります。カロリーはゼロです。
安全性の高い人工甘味料と世界的に認識されていますが、危険性について指摘する声もあります。
副作用としては、白血病・白内障・甲状腺の劣化などが心配されていますが、1999年に認可されたばかりで実験結果が少なく、危険性についても安全性についても完全に断定できる要素はありません。
ネオテーム 安全性:○
砂糖の7000~13000倍の甘さです。カロリーは1gにつき0.3kcal未満です。
アスパルテームの改良品で、様々な食品や飲料に使われています。
現状では、特に心配されている副作用はなく、安全性が高いと言われています。
人工甘味料は太りやすく、インスリンを上昇させる理由
太りたくないという理由でカロリーオフ、カロリーゼロの人工甘味料を使っているのに、何故か太りやすいという指摘があります。何故そういう事が起こるのでしょうか。
インスリンは、砂糖などの天然の甘味料だけではなく、人工甘味料にも反応するという事が近年判明しました。砂糖を摂った時と同じように血糖値が上がり、インスリンが分泌される事により、砂糖と同様に太ってしまんです。
砂糖と較べて太りやすいとされている要因は色々ありますが、主なものを以下に挙げますと、
- インスリンは分泌されるが実際にはエネルギーに変える糖分がないため、インスリンが正常に働かなくなる
- 人工甘味料の「満腹ホルモン(レプチン)」を過剰に分泌させる働きにより、満腹中枢が上手く働かなくなり、結果、満腹感を感じる感覚が鈍って食べ過ぎてしまうようになる
- カロリーオフまたはゼロという言葉に釣られて過剰に食べてしまう
- 人工甘味料の強い甘さが癖になってしまい、正常な甘みを感じる機能が鈍くなり、糖分を過剰に摂取してしまうようになる
- などです。
人工甘味料=太る物質、というよりは、人工甘味料の成分や働きによって、身体の正常な機能が衰え、太りやすい体質を作ってしまうという事ですね。
1日の許容摂取する量は?
6種類の人工甘味料は、それぞれ、1日の許容摂取量が決まっています。
- アスパルテーム:体重1kgに対して40mg未満
- アセスルファムカリウム:体重1kgに対して15mg
- アドバンテーム:体重1kgに対して0~5mg
- サッカリン:体重1kgに対して5mg
- スクラロース:体重1kgに対して5mg
- ネオテーム:体重1kgに対して120mg
2017年現在の数値なので、その後変更がある可能性もあります。
人工甘味料が使われている食品の確認する方法
許容摂取量に気をつけながら飲まないと危険なんて怖いから、なるべく人工甘味料を使っていない食品を選びたい!という方も多いかと思います。
食品の添加物については、パッケージに記載するように義務付けられていますので、「甘味料:甘味料、人工甘味料又は合成甘味料」という表記のものを選ばないようにしましょう。
また「カロリーオフ」「カロリーゼロ」とされているものはほぼ確実に人工甘味料が使われていますので、選ばないようにするのが無難です。
シュガーレスの飲み物だから安心と思って確認しないで飲んでみたら、パッケージに「人工甘味料」と記載されていた…なんて事もあり得ますので、気になる人は必ずパッケージの表記を確認しましょう。
まとめ
副作用があるかも知れなくて怖いから、もう人工甘味料は絶対口にしない!と言う感想を持たれた方もいらっしゃるかも知れませんが、安全な人工甘味料もありますし、ここでご紹介した6種類の人工甘味料は、現状では禁止にするほどの危険性はないとされています。
うっかり食べてしまった!と思っても、少量なら問題ありませんので大丈夫です。
持病があり、成分上摂取してはいけない人工甘味料があるのでは、と不安になった方は、医師に相談してみましょう。