皆さん、「下世話」と聞いてどんな感じがしますか?あまりよくないイメージを持っていませんか?
実はこの「下世話」がよく誤用されていて、「低俗な話」「下品なさま」など良くない意味の言葉として使われることが多いようです。
ここでは「下世話」の意味や本来の使い方を調べてみました。ぜひ参考にしてください。
下世話ってどんな意味?読み方は?
まず下世話の読み方は「げせわ」となります。
「世話」とは、世間の噂、日常的なことを意味します。「下」とは、「下々の者」つまり「一般庶民」を指します、下品の「下」や下ネタの「下」を表しているのではありません。
両者合わせれば、「世間の一般の人達がよく口にする言葉や話」または「世間話」という意味になります。
下世話な話と言われたら、あの芸能人がどうだとか、昨日のプロ野球の結果とか、そういった普通の世間話ということになります。
「下世話」によくないイメージを持っているのは、それは「下世話」の「下」の文字から連想されたからではないかと思います。何となく「下品な話」と感じてしまうのですね。
下世話の使い方について
誤用された使い方
- あいつと一緒にいるといつも決まってお金の話になってしまう。まったく下世話なやつだ。
- 親しくなって初めてわかりましたが、彼はすごく下世話な男でした。ショックです。
下世話な人や下世話なやつなどの使い方は、「人のうわさ話や下品な話が好きな人」という意味で使われていますが、これは間違って使っています。
- 下世話な話になりますが、ぶっちゃけあなたは幾らぐらいの給料をもらっているんですか?
- 君と友人になってから多くの時間を過ごしたが、その会話の内容はほとんどが金か女。下世話にもほどがあるぞ。
また、下品なことを言うという意味で使う人もいますが、やはり「低俗」や「俗悪」という良くない意味の言葉として使っていることが多いようです。
正しい使い方
「下世話」の本当の意味は、一般庶民がよく口にする言葉なので、
例えば
- 下世話に言われている通り、現職の都知事がお金に汚いことをしたのかどうか、本当のことが知りたい。
- 下世話のことわざにも「百聞は一見にしかず」とあることだし、その不可思議な建物のある町まで実際に行ってみようと思う。
などのような使い方が良いとされています。
下世話の類義語は?
世間話の類義語には「ゴシップ」という言葉があります。ですので下世話=ゴシップと捉えてしまったとも考えられます。
「ゴシップ」は巷で伝聞される興味本位のうわさ話という意味があり、有名人の噂話としてよく使われる言葉です。
有名人のゴシップのほとんどは、下品で低俗な話が多く、それを聞き、「低俗・下品」という意味で徐々に使いだしたかもしれません。
最後に
言葉は変化していくものなのです、時代とともに意味が変化していくという言葉は結構あります。
世間話として使用されていた「下世話」がいつの間にか意味が変質して、下品な話として定着していって、いつか辞書に載るときが来るのかもしれません。