ビジネスシーンでよく「忌憚なく」や「忌憚のない意見」などのフレーズを聞きますね。日常であまり使わない言葉なので、「意味がわから」という人が少なくないのではないでしょうか?
意味がわからとうまく交流できなくて、困ってしまいますよね。
この「忌憚」の意味や使い方をマスターしてしまえば非常に役立つ一言ですので、この機会にぜひマスターしましょう!
「忌憚」の読み方と意味は?
まずは「忌憚」の読み方は「きたん」と読みます。
「忌」の訓読みは「いまわしい」、きらって避けること、「憚」は「はばかる」と読み、「恐れて遠慮すること」や「憚(はばか)ること」という意味。
というわけで、「忌憚」は、「相手に遠慮して避けること」という意味になります。
ビジネスシーンで、「忌憚」と言われた場合は、「相手に遠慮して特定の話題などをあえて避ける」というような意味になります。
「忌憚」の基本的な使い方や例文
「忌憚」は「遠慮して避けること」なので、基本的に後ろに否定語句を伴って使われます。
例えば、「忌憚のない」「忌憚なく」などです。
ビジネスシーンでよく「忌憚のない意見」や「忌憚なく 話してほしい」のような使い方をします。これは「遠慮なく」「率直に」という意味を表します。
「忌憚」を使った例文
- 皆さん、この会議では忌憚のないご意見を述べてください。
- 忌憚なく言わせていただくと・・・
- 彼は忌憚なくものを言うところがあるので、隣で見ている私は気が気ではない。
- 忌憚なくいえば、毎週の定例会議は今後失くすか減らしていくべきだと思います。
ビジネスシーンで自分が目の上の人に「忌憚なく」話すときに、「遠慮しませんよ」と宣言してしまうことになるので、とても失礼な言い方になってしまいます。
相手に失礼がないように、「ご気分を害されるかもしれませんが…」「恐縮ですが…」などのフレーズを加えると、丁寧さを表すことができます。
「忌憚のない意見」ってどういう意味?「率直」との違いは?
会議で、目上の人が「忌憚のない意見を述べてほしい」と言う場合がありますよね、これは「遠慮することなく、率直な意見を述べてほしい」という意味です。
「忌憚のない意見」という言葉と似た言葉として「率直な意見」という言葉があります。この「率直」と「忌憚なく」とはどこが違うのでしょうか。
「率直」と「忌憚なく」との違い
「率直」とは、「飾ったりつくろったりしないこと、ありのまま」という意味です。
例えば、「率直に述べる」「率直な意見」は「飾ったり、隠したり、良く見せようとせずにそのまま話す」という意味になります。
対して、「忌憚なく」という表現は、「意見をいうことに対して、遠慮なく気兼ねしないで」という意味、ニュアンスの違いがありますね。
使う場面や状況をよく考慮した上で使い分けてみると良いでしょう。
最後に
「忌憚」は、中立の言葉であるため、敬語でもありません。目上、目下関係なく使えます。
但し目上の人に向けて使用する場合は、失礼がないように、「恐縮ですが」とか「ご気分を害されるでしょうが」と前置きをしてから言うようにしましょう。