ビジネスなどの場面で、「彼女は根回しが上手いね」などのフレーズを聞いたことはありませんか?
「根回し」に対して、「自分の意見を通すために人を操る」というマイナスのイメージを持っている人がいるようです。
逆に「根回し」は、「相手への思いやりの行為であり、最高のコミュニケーション技術だ」と考えている人もいます。
そもそも「根回し」の本当の意味は何なのか?今回は「根回し」についてをご紹介していきます。
根回しの意味とは?語源は?
辞書で引くと、根回しの意味は二つあります。
- 1、木を移植するに先立ち、根の周囲を切り詰めて細根を発達させておくこと。
- 2、事を行う前に、関係者に意図、事情などを説明し、ある程度までの了解を得ておくこと。
となります。
樹木の移植作業は、ちょっとしたミスで枯れてしまう可能性があるので、その木の特徴を知ることや、移植の知識を勉強するなど、事前準備にはとても大切なのです。
このことが、「根回し」の本当に意味なのです。
この木の移植の「根回し」が語源となり、ビジネスなどの会議や企画を進めていく上で、大切な事前準備の行為としての意味で「根回し」が使われるようになったのです。
「根回し」の使い方
根回しをする
「根回し」という言葉は「根回しをする」という形で、交渉や会議などで事をうまく運ぶために、事前に準備し、前もって手を打っておくことを表現します。
例えば、
- 会議を円滑に進めるためには、根回しする必要がある。
- 交渉の場に臨んだ時には、すでに根回しし終えていたのですぐに決着がついた。
- 根回ししなくても、会議の場で誠実に自分の意見を述べれば大丈夫だ。
根回しが上手い、根回しが下手
「根回しが上手い」「根回しが下手」といった形で、全体のコンセンサスを得るために、上手か、下手かという表現もあります。
例えば、
- 根回し上手な人
- 彼は根回しが下手だ
根回しの類語
類義語としては、
- 裏工作
- ロビー活動
- 下準備
- 水面下での交渉
などが挙げられ、表に出ないように、こっそりと進めていく活動や行動を意味する言葉が多数該当しています。
これで、根回しに対して、ネガティブなイメージを持つ人は多いのではないでしょうか。
「根回し上手」は褒め言葉?!
先ほど述べたように、根回しというと、結構ネガティブな印象を持たれている方が多いようです。
特に女性の場合は、根回しをするのが嫌なので、あえて避けてしまいます。「根回し上手」というのは、褒め言葉と思いません。
欧米では根回しはプレミーティングと呼ばれて、「仕事を円滑に進めていく上で関係者の合意形成を図る能力やコミュニケーションスキル」と捉えています。
根回しがうまい人は、仕事ができる人と思われています。
また国家間で取り交わす「条約締結」はサインの席になるまで、相当な根回しを相互国の官庁担当者が行っているそうです。それらを含めれば「根回し」は相当重要な事ではないでしょうか。
やりたいことを本当に成功させたいのなら、根回しをやるべきだと思いますね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
「根回し」は事をうまく運ぶために、行う前に、関係者に意図、事情などを説明し、ある程度までの了解を得ておくこと。
善悪の価値判断を含まない言葉です。
中には「ズルい!」と感じる方がいるかもしれませんが、ビジネスで出世をしていくには、ある程度の根回しは必要だと思いますね。