ビジネスの場面でよく「適宜」という言葉を聞きますね。
「適宜」ってどういった意味でしょうか?似た意味を持つ「適時」「随時」との違いは?
などの疑問を抱く方に、分かりやすく説明していきます。ぜひご参考になさってください。
「適宜」の読み方と意味
まず「適宜」の読みかたは「てきぎ」
意味は、2つあります。
1、その場や状況に適していること、適当である
2、その場の状況に応じて各自が良いと思うように判断し行動すること、随意、便宜に従うこと
「適宜」の「宜」は「よろしい」で使うように、「よい」という意味を持っているので、「適宜」は「ちょうどよい」という意味合いがあります。
何のことであれ、その場に合致した行動をとることや、その状況に応じて各自が良いと判断した行動をする様子をあらわす際に使います。
例えば、仕事中にちょっとしたトラブルが発生したとします、そのトラブルを迅速に処理するこが出来れば、「適宜処置された」と表現してよいわけです。
「適宜」の使い方
適宜は文書として使われるケースが多い傾向があります。
「適宜」の主語は主に「個人」です。組織や団体ではなく「各人が適切に行動する」という意味合いが強い。
例えば、
講習会終了後は各人、適宜解散してください。
状況に応じて適宜対応できるようにならなければ一人前とは言えない。
一人ひとり、適宜処置していく。
被災地の救出保護作業については適宜判断してもらって構わない
などの使い方ができます。
「適時」「随時」との違いについて
「適宜」には似た意味を持つ「適時」と「随時」があります。
「適時(てきじ)」の意味
「ちょうどよい『とき』に」「ある行動をするのにふさわしい時」といった意味です。
例えば料理をするときに、塩を入れてもらうとします。
「適時に入れてください」ならタイミングのことしか言っていません。
「適宜入れてください」なら量とタイミングの両方を指すことができるというわけです。
「随時(ずいじ)」の意味
「随時」の意味は以下の通りです。
- 適当なとき、その時々
- 好きな時いつでも、日時に制限のないさま
といった意味です。
「随」という漢字には「勝手気まま」という意味があります。なので「勝手気ままな時」から「いつでも」「適当なとき」という意味になるんです。
日時や制限を設けずにいつでも好きなときに対応する。
よくバイト募集の張り紙で、「随時募集中!」と書いてあることがありますよね。
これは、「募集希望があればいつでも対応するのでどんどん連絡してきて下さい」という意味になります。
「適宜」「適時」「随時」の違い
この3つの言葉の違いをまとめてみると
- 「適宜」は自己判断で、状況に合った行動をする
- 「適時」はタイミングがいい時に、行動をする
- 「随時」は好きな時にいつでも行動をする
まとめ
いかがでしょうか。ご理解できたでしょうか?
- 適宜の読み方は「てきぎ」
- 「その場や状況に適していること」「その時々に応じて各自が良いと思うように判断し行動すること」と2つの意味がある
- 「適宜」は自己判断で、状況に合った行動をする
- 「適時」はタイミングがいい時に、行動をする
- 「随時」は好きな時にいつでも行動をする
この3つの言葉は日常の会話や、ビジネスのメールでもよく使われるので、しっかりと覚えておきましょう!