食物繊維って聞くと、便秘の解消に良いものということで知られていますよね。ダイエットを頑張る時には、定番のようになっています。
今回は、そんな腸内環境をきれいにしてくれると言われる食物繊維のお話しです。
食物繊維を摂りすぎるとどうなるのか?そして一日あたりどれぐらい摂取すればよいでしょうか?
食物繊維とは?
食物繊維は、野菜、果物、海藻類、キノコ類などに含まれる第6の栄養素とも呼ばれています。便秘の解消に良いということ以外にも、
今では、心筋梗塞、糖尿病、肥満などの生活習慣病の予防にも、活躍してくれるとも言われています。
ちなみに、6大栄養素は、炭水化物、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラル、食物繊維です。
食物繊維は2種類に分類されます。
1つは「水に溶けない不溶性食物繊維」、もう1つは「水に溶ける水溶性食物繊維」です。
不溶性食物繊維
不溶性食物繊維は、セルロースやキチンという成分の働きが大きいです。
セルロースは、ごぼうなどの繊維の多い野菜に含まれるものです。キチンは、カニの殻に含まれていることはわりと知られていますよね。
不溶性食物繊維は、口に入れた時の形とほぼ同じ形で腸に達するのが特徴です。
腸まで達すると、水分を吸収して膨張していき、腸の「蠕動運動(ぜんどううんどう)」を活発にします。
蠕動運動(ぜんどううんどう)とは、腸が縮んだり、緩んだりをくり返して、波が生じることで、腸内の便が肛門まで運ばれる動きです。
水溶性食物繊維
水溶性食物繊維は、水に溶ける性質があり、果物などに多く含まれるペクチンや、こんにゃくに含まれるマンナンなどが代表的です。
主に3つの働きがあります。
- 食品を胃の中で長く滞留させる働き。
- 糖質の吸収を抑制する働き。
- コレステロールの吸収を妨ぎ、体外に排出されやすくする働き。
食べ物には、水溶性食物繊維が多く含まれるのはアボカド、オクラ、きのこ類、海藻類、こんにゃく、納豆などです。
食物繊維を摂りすぎるとどうなる?
下痢になる
食物繊維を摂りすぎると、下痢になるという人がいます。これは間違った摂り方で下痢になる場合があるのです。
不溶性食物繊維は腸の「蠕動運動(ぜんどううんどう)」を活発する働きがあります。
この不溶性食物繊維を取りすぎると、腸を刺激してしまって、下痢の時に食べるとさらに症状を悪化させてしまいます。
便秘になる
また、逆に便秘になる人もいます。たとえば、青汁を飲むことで便秘になるケースです。それは、不溶性食物繊維の過剰摂取によって、腸が詰まるからです。
不溶性食物繊維は水分を吸収する働きがあるため、便の中にたくさんの不溶性食物繊維が含まれると水に溶けないため、滑りは悪くなって、さらに便の中の水分を奪って便を固くなるので、便秘になってしまいます。
でも、実際には、野菜不足の生活になりやすいので過剰摂取にはなりにくいようです。
サプリで摂取する場合は、その商品の決まった量を守って服用しましょう。
日本人は食物繊維の一日摂取量はどれぐらい?
厚生労働省が「日本人の食事摂取基準(2015年版)」を施行したものがあり、それによると、
日本人は食物繊維の一日摂取量:
- 男性:20g以上。
- 女性:18g以上。
となります。
厚生労働省の調べによると、日本人の毎日の平均的な摂取量はわずか14g前後と全く足りていない状況です、さらに食生活の欧米化によって、年々低下しているのが現状です。
でも、食物繊維の必要な量を野菜で摂取しようとすると無理があるようです。
たとえば、
- ほうれん草なら2束
- ブロッコリーなら2株
- もやしで4袋
- レタスだと4玉
となっています。
それで、すすめられるのが寒天や玄米、豆類、ひじき、海藻類なんです。それらの食品は、100g中に10g以上の食物繊維を摂取することができます。
また青汁を飲むことをお勧めします。青汁には、食物繊維が豊富に含まれているので、不足しがちな食物繊維を補うために、青汁は有効な手段です。
まとめ
食物繊維には、「水に溶けない不溶性食物繊維」と「水に溶ける水溶性食物繊維」があります。二つをバランスよくとるようにしましょう。
また食物繊維の一日の摂取量は、男性が20g以上、女性が18g以上ですが、野菜だけでの摂取では難しいです。
なので、寒天や玄米、豆類、ひじき、海藻類など食物繊維が多く含まれる食べ物や青汁で、少しずつでも意識的に取り入れましょう。