みりんと言えば、和食派の方のキッチンになら必ずある、和食必須の調味料の1つです。
そのみりん、昔はお酒として飲まれていたのをご存知でしたか?
今回は、みりんのいろいろについて、みりんをより上手に使う事で、お料理をより美味しく仕上げるコツを交えてご紹介します。
みりんとは?どんな役割をするの?
みりんは、現在では「調味料」という認識のほうが一般的ですが、元々は飲用に用いられるお酒でした。現状でも、「混成酒」に分類される、立派なアルコール飲料です。
アルコール度数は12~14%ほどあるので、同じ量のビールより度数が高いです。ですので、販売にも、お酒と同様、製造にも販売にも免許が必要になります。
近年では、アルコールが体質的、あるいは宗教的に摂取できない人向けに、アルコールを含んでいない「みりん風調味料」や、アルコールを含んでいるけれど飲用に用いられないよう、塩分を追加した調味料としての利用に特化した「みりんタイプ調味料」があるので、元来のみりんを「本みりん」と呼んで、他の2タイプと区別するようになっています。
この記事ではその「本みりん」を「みりん」として統一しています。
みりんの調味料としての役割
みりんの調味料としての役割は、
- 食材の臭みを取る
- 食材に風味を染み込ませて、美味しさを引き立てる
- 食材の身を引き締め、煮崩れを防ぐ働きがある
- 料理に照りやつや、コク、うまみ、まろやかで上品な甘みをつける
などです。
特にコクを出す能力が高いので、同じお料理でも、みりんを入れた場合とそうでない場合は、食べ比べても分かるほど違いが歴然です。
みりんと料理酒との違いは?
みりんはお酒ですが、料理酒とは若干性質と役割が変わってきます。
料理酒の調味料としての役割は、
- 食材の臭みを取る
- 食材に風味を染み込ませて、美味しさを引き立てる
- 食材の身をやわらかく仕上げる
など。
みりんを料理に用いた場合、素材は引き締まって煮崩れしにくくなりますが、料理酒はその逆で、素材がふんわりと柔らかく仕上がります。
どちらにも共通しているのが「食材にコクと旨味を与える」「食材の臭みを取る」という部分です。
これらはアルコール成分による働きなので、みりんでも料理酒でも同じ効果が現れるんですね。
ですので、食材によってみりんか料理酒を使い分けると、料理の幅がぐっと広がりますよ。
煮魚なら料理酒、肉料理ならみりん、という風に使い分けるのが一般的ですが、肉じゃがの場合などはどっちのタイプでも美味しいので、食べる人の好みに応じて使い分けてみましょう。
みりんの上手な使い方
みりんには、食材に味が染み込みやすいという特徴があります。ですので、短時間で手早く仕上げたい料理では、特に活躍します。
料理用語の「さしすせそ」というのは調味料を入れる順番を表していますが、「さ:砂糖」「し:塩」「す:酢」「せ:醤油」「そ:味噌」のどの部分にみりんを入れるかで、仕上がりが変わってきます。
料理の煮崩れを防ぎたい場合は早めに入れ、照りを出したい場合は最後に入れるようにしましょう。
短時間でさっと味を染み込ませたい場合は、他の調味料より先にみりんを入れ、他の調味料を後に入れるようにすると、料理の味に深みが加わってより美味しく仕上がります。
ない時代用になるものは?
みりんの代表的な代用品は、料理酒と砂糖です。
みりんが料理に与える要素の多くはアルコール成分によるものなので、そういう点で甘いだけの調味料では代用にはなりません。みりんと同様の旨味を引き出したい場合は、必ず料理酒を使うようにしましょう。
料理酒と砂糖でなければ、料理酒とハチミツ、ワインと砂糖またはハチミツ、という感じでも代用が効きます。
お酒と砂糖は、料理酒10に対して砂糖またはハチミツが1という配分にするのが望ましいですが、好みによってある程度調整しても良いでしょう。
あとがき
今回は「本みりん」についてのご紹介ですが、前述の通り「みりん風調味料」「みりんタイプ調味料」というものもあります。
用途や食べる人の都合によって、アルコール分のない「みりん風調味料」、あるいは塩分を含んでいる「みりんタイプ調味料」を利用するのも良いですね。
ただ、「本みりん」及び「みりんタイプ調味料」そして「料理酒」にはアルコール分が含まれているので常温保存でも問題ありませんが、「みりん風調味料」は栓をしっかり閉めた上で冷蔵保存するようにする、など、保存方法に違いがある点に注意しましょう。
みりん風とみりんタイプ、呼び方がちょっと紛らわしいですが、パッケージを見れば原材料が記載されていますので、迷った時はパッケージをご確認下さいね。